順送金型・加工技術とは

プレス加工の基本となる単発加工の場合、金型は加工工程に合わせてそれぞれ作られており、板状の金属から必要な形状に切り取る「せん断加工」、必要な形状に成形する「曲げ加工」や「絞り加工」など、各工程に必要な金型を別々に用意しなければいけません。そして、単発加工は人の手で材料を何度も金型から出し入れしながら進めるため、製品を作る際には非常に効率が悪くなるのです。

順送金型は、1つの金型内に2つ以上の工程が設けられており、1ショットごとに次の工程へ自動で材料を送りながら次々とプレスしていくため、材料を金型から出し入れする手間が省けます。

順送金型をもう少し簡単に表現すると、「順々に材料を送り出す金型」とも言えます。なお、順送金型のことを英語では「Progressive Die」と表現します。

順送金型は1つの金型内に複数の工程が設置されているため、非常に複雑な構造になります。金型の内部に小さな工場ができているようなイメージです。

順送金型は金型の内部に小さな工場ができているようなイメージで、1つの金型内に複数の工程が設置されているため、非常に複雑な構造になります。複雑な構造であることから、金型費用が高額になりがちなデメリットがあります。さらに、形状変化の大きい複雑な形状の製品は、加工できない場合もあります。

しかし、材料が繋がったまま次々と金型内の工程を通過して加工するため、様々なプレス加工の中で最も加工速度が速く、生産効率に優れた加工方法と言えるでしょう。

長野サンコーの順送金型・加工技術

順送金型の豊富な製造実績

弊社には創業半世紀を超える長年の蓄積による豊富な順送金型の製造実績がございます。金型製造の要となる設計にはこの伝統技術と最先端の設計支援システムを用いておりますので、お客様の使用用途に最適となる部品形状を、実績と最新技術に基づいてご提案させていただくことが可能です。

設計段階での高度なシミュレーション技術

設計段階において小さなリスクも徹底的に排除することを目指しており、FMEAの実施により潜在的な故障の原因を体系的に分析することで、不具合発生の防止を実現します。
また、プレス成型シミュレーションソフトウェアの活用により、開発工程の短縮・コスト削減・品質向上も実現。構造解析や熱解析にも対応しており、構想段階からお客様と連携して技術開発を進めることができます。

順送金型製造からプレス加工まで一貫対応

順送金型の製造はもちろん、その後のプレス加工まで社内一貫で対応。種類豊富なプレス機を保有しておりますので、製品形状や生産数量等の諸条件に合わせてトランスファ加工や単発加工を選択することも可能です。
また、複雑形状等により既存のプレス機だけでは加工できない製品の場合、製造を可能にするための専用機を自社で開発して加工実現を目指します。

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多様な素材の量産に対応

様々な種類の素材に生産対応してきた実績から、ステンレス、アルミ、真鍮、マグネシウムなど、多種多様な素材の加工に対応することが可能です。まずはお気軽にご相談ください。

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